12月10日に開催された中央社会保険医療協議会において地域包括病棟の役割に対する評価について議論が進められています。
ポストアキュートに偏る地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟入院料1と2の施設基準の違いとして大きいのが、許可病床数が200床未満か以上であるか?です。
平成26年に地域包括ケア病棟入院料が新設されました。DPC請求が先行して進められ、平均在院日数が18日以下と制限される中で、一部病棟を地域包括ケア病棟に転換し急性期後の患者を受け入れる機能を果たしてきました。
また経営戦略としてDPC請求の制度を理解し、DPC入院期間Ⅱを過ぎるタイミングで地域包括ケア病棟へ転棟することにより、入院収益が改善されるケースがあり、多くの医療機関でベットコントロールによる収益管理に注力されていたと思います。
200床未満の病院は医療圏での立ち位置を変更しやすかった
急性期としての機能は一部であった200床未満の医療機関においては、地域包括ケア病棟入院料とDPC請求を比較した場合、看護配置の関係もあり地域包括ケア病棟を選択することが経営的に安定するという判断が容易であったと思われます。
一方で、地方の中核的な200床以上の病院では急性期医療の維持は社会的責務です。ケアミックスによる病院運営は周辺に受入病院のない地域においては患者さんにとっても遠方への転院の必要がなくなりメリットとして大きいと思われます。
医療資源の少ない地域においてはペナルティ措置は不要では?
地域包括ケア病棟に関する改定の動向に注意していかなくてはなりません。支払い側は地域包括ケア病棟の本来の役割を果たすようポストアキュートとサブアキュートの割合を400床未満の病院に対しても拡大するよう求めていますが、診療側は例えば急性期病院等が少ない地域に設置された地域包括ケア病棟ではどうしても「自院のpost acute患者割合」が高くなるなど、地域・病院の特性を考慮すべきである。「偏りが不適切」と断じることは誤っていると反対しています。
地域包括ケアシステムの推進には在宅医療の実績による調整か
現在地域包括ケア病棟入院料・管理料の1と3においては地域包括ケアの実績が要件設定されています。下記表をみると、地域包括ケア病棟入院料・管理料2については要件が無いため1と比較すると実績が少ないことがわかります。
ケアミックスにより地域医療を担ってきた中核病院については、今後在宅医療への実績を定め、地域包括ケアシステムの充実に向かうことが求められるのではないでしょうか。
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